「小さな会社が稼ぐ技術」弱者必勝のランチェスター戦略Part3

2017.03.10 by 金子文

栢野 克己氏著「小さな会社の稼ぐ技術」
をもとにランチェスター戦略について
解説しています。

 

 

 

Part2で
「強者の戦略」「弱者の戦略」について
解説しました。

 

戦略の違い.001

 

今回は弱者の戦略について
掘り下げていきます。

この記事の目次

経営の8大戦略

経営には大きくわけて
8つの戦略があります。

 

この一つ一つの戦略も
弱者が勝てるやり方
あります。

 

【経営の8大戦略】

 

①商品 なにを売るか

②地域 どこの場所で売るか

③客層 誰に売るのか

④営業 どうやって売るのか

⑤顧客 リピート客にするには

⑥組織 スタッフのやる気を高める

⑦資金 資金調達と配分

⑧時間 働き方

 

今回は
戦略①商品

戦略③客層

について解説します。

見込み客の4つの質問

遠藤 晃さん教わったのですが、
お客さんはいつも私たちに

 

4つの質問を投げかけ
ています。

 

この4つの質問に
答えなければ私たちの
商品・サービスを購入して
もらうことはできません。

 

その4つの質問とは

 

①あなたは何を
売っているのですか?

 

②それは私に何の得があるのですか?

 

③どうしてあなたから
買わなければならないのですか?

 

④それっておいくらするの?

 

この質問に答えるためには
商品の詳細

 

商品のベネフィット
(お客さんが商品を買うことで得られる利益)

 

選ばれる理由

 

価格

 

を明確にしなければ
なりません。

 

この答えを満たす商品を作る時に、
弱者の戦略を使って

勝てる商品を作ります。

 

誰に何を売るか

【経営戦略1】商品

【経営戦略3】客層

 

お客さんの質問①
あなたは何を売ろうとしているのですか?

まず、何を売るのかを決めないと
商売はできません。
商品を決める時に

重要なのが

【客層】誰に

【商品】なにを売るのか

ということです。

 

大きな市場、すでに流行っている
商品・サービスを作っても

強者(大手企業)
に負けてしまいます。

 

どこを攻略するか、
その突破口は細分化
することから
はじめます。

 

商品の細分化は

 

用途別
デザイン別

などで競合の少ない商品を狙い、

 

「スキ間商品」

 

を見つけます。

 

スキ間商品を見つけるために
まず、客層を絞ります。

 

【客層を絞る】

 

客層を絞ると

 

お客さんが何に悩んでいるのか
何を求めているのか
ニーズが鮮明になります。

 

【客層の絞り方】

 

理想の顧客.001

 

どの客層をターゲットにするかで、
販売地域や販売方法も変わります。

 

【商品を決める】

 

ターゲットが決まったら

 

ライバルと差別化できて
ニッチな(小さな)市場で
1位になれる「スキ間商品」
を作ります。

 

「中小企業と屏風は広げると
倒れる」

 

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と言われます。

 

少ない人数であれこれ
手をだしても

 

手が回らず、
どれも中途半端になってしまうと、
商品・サービスに魅力が
ないので、

 

結局売れません。

 

 

一点集中して
一つのことに専門特化した
ほうがお客さんから

選ばれます。

 

例えば、

あなたがスパゲティが食べたいと
思ったときに、

目の前に

 

ファミリーレストラン

 

イタリアンのお店が
あったとします。

 

あなたはどちらの
お店に入りますか?

 

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多くの人は

迷わず、イタリアンのお店に
入るでしょう。

 

 

何でも屋さんは
選ばれず、
専門店は選ばれます。

 

 

絞り込むと「お客さんが減るのでは」
という不安があります。

 

だけど、そもそも客層を
絞りこんでピンポイントで
狙って行かなければ、

 

誰からも選ばれません。

 

そうなると
会社をたたむことに
なります。

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すきま.001

「スキ間商品」は

 

手作り、少量生産、オーダーメイド

市場が小さい、ニッチ

衰退産業

イメージが悪い、怪しい

 

など大手やエリートがバカにする分野、

 

世間が右というなら、左に行ってみる
などの逆張り

 

他社に占領されていない場所を発見して
作り出します。

 

お客さんの質問②
それは私に何の得があるのですか?

商品・サービスを買うことで
得られるお客さんのベネフィット

(お客さんが商品を買うことで得られる利益)

を明確にします。

 

あなたの商品・サービスを購入することで
お客さんがどんなバラ色の未来を手にする
ことができるのか、ということです。

 

USPという言葉を
聞かれたことがあると思います。

 

Uはユニーク 

その商品の独自性 特徴をさします。

 

Sはセリング

商品の売り、強み

 

Pはプロポジション

提案メリット

 

USPとは

自社のビジネスを
顧客のニーズに合わせると同時に

競争企業と十分に差別を行いながら
顧客の記憶にユニークに位置付けること。

 

商品を作る時は、
お客さんのどんな悩みや
欲を解決することが

 

できるのか、

 

お客さん目線で
考えることが大事です。

 

お客さんの質問③
どうしてあなたから買わなければならないの?

この問いに答えるためには

「選ばれる理由」

が必要になります。

 

そして

商品の仕入れ以外で
一番経費がかかるのは

営業コストです。

 

ところが

経費がほとんどかからないのに
効果がある販売促進の方法があります。

 

それは・・・

 

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口コミや紹介です。

 

お客さんが
あなたの商品を選んで
購入し、
さらに
口コミ、紹介をして
もらうにはどうしたら
いいのでしょうか。

 

 

お客さんから選ばれ、
口コミ、紹介をされるには

なんらかの「勲章」が
必要です。

 

もっともわかりやすく、
インパクトが強いのが

 

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という称号です。

 

「日本で一番高い山は?」
と聞かれて答えられない人は

いませんが、

 

「じゃぁ2番目は?」

 

と聞かれて答えられる人の数は
がくっと減ります。

 

人は1位の名前は覚えていても
2位以下は覚えていないのです。

 

人は誰でも、相手の役に立ちたい、
喜ばせたいという思いを持って
います。

なので、誰かに
「このへんで美味しいラーメン屋
はどこですか?」

 

と聞かれたら、自分の知っている
一番美味しいお店を紹介します。

 

だから何かで1位になると
口コミや紹介が一気に増えます。

 

では、No.1はどうしたら
なれるのでしょうか。

 

No.1になるのは大変なことの
ように思えますが、

 

ある限定的な条件での
No.1でOKです。

 

商品や地域、客層で細分化して
ニッチな分野でNo.1を目指します。

 

 

【No.1を作った例 その①】

私にマーケティングを教えてくれた
先生に遠藤 晃さんという方がいます。

 

今では士業・コンサルタントに
ノウハウを教える先生として

活躍されていますが、

以前は保険の営業マンをされて
いました。

 

大学を卒業して塾の先生になり、
その後保険会社に転職をされましたが、

 

営業経験が全くなく、
1年目はズブズブの成績で

 

クビ寸前になりました。

 

でも、2年目には全世界の保険営業マン
トップ5%の人しかなれない

 

MDRT会員になったのです。

 

どうしてダメダメの営業員から
トップ営業マンになれたのかというと

 

それがNo.1戦略でした。

 

遠藤さんは何かで
自分がNo.1になれることは

ないかと考えました。

 

そこで目をつけたのが
「掛け捨ての保険」です。

 

安い掛け金で内容もそこそこ
いいのに、販売手数料が少ないので、
他の営業マンが売りたがらない保険が
ありました。

 

そこで、遠藤さんはこの商品を
集中して徹底的に売りました。

 

その結果、この「掛け捨て保険」の
部門で、全国1位になったのです。

 

全国No.1営業マンになったことで、
お客さんから選ばれ、
口コミ、紹介も起こり、

 

2年目にはMDRT会員になるという
快挙を成し遂げました。

 

 

【No.1を作った例その②】

また遠藤先生の勉強会で
知りあった方に

井上 保さんという方がいます。

この方は

99%の人に断られた
商品を7年間で14億円
も売りました。

 

最初、井上さんは一生懸命、営業をして
約2万円の美容機器を売ろうとしましたが、

ちっとも売れませんでした。

 

そんな時、井上さんが扱っていた
美容機器はある展示会の
人気投票で4位になりました。

 

井上さんはうれしくなって、
商談の時

「先日の展示会で4位に
なった商品です!」

 

と紹介したのですが、
「1位はどんな商品ですか?」
と聞かれ、やっぱり売れないのです。

 

そこで、この商品を1位にできないかと
考えました。

 

その展示会では

1位 126,000円の美容機器

2位 価格未記載のトリートメント

3位 41,790円の美容機器

4位 19,950円の美容機器(井上さんの商品)

 

という順位でした。

 

まず、カテゴリーを美容機器に絞ると
3位に浮上します。

(2位がトリートメントなので)

 

そして、金額を4万円以下に絞ると
1位に浮上したのです。

 

そこで、井上さんは
美容機器4万円以下の部門
と明記して

 

「あの展示会の人気投票で1位
(美容機器 4万円以下)を
獲得した商品です!」

 

と紹介しました。

 

するとお客さんから
「聞きたい」「試してみたい」
という声が出始めて

 

その後1年半で売り上げが
8倍に伸びました。

 

お客さんの質問④
それっておいくらするの?

目に見える商品は
値段をつけやすいですが、

コンサルなどの目に見えない
商品も基準の料金を設定する
ことが大事です。

 

基準の料金がないと

 

お客さんはこのサービスを
受けるのにいったいいくら
かかるのだろうと

怖くて頼めないし、

 

人によって値段を変えて
いるのではないかという

 

疑いも持たれてしまいます。

まとめ

 

弱者の戦略

差別化、一点集中、
ニッチな分野でNo.1

 

掘り下げて考えると
面白いですね。

 

私たち、弱者は
常に、険しい山や森で

大手企業の手が回らない
スキ間を見つけることで

 

勝者になることが
できます。

 

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強いライバルと同じことをやると
価格競争に陥ります。

よって、商品、地域、客層や
営業方法で差別化が必要ですが
他と違うことをやるのは勇気が
必要ですね。

その点、変人やあまのじゃくな
人は有利です。

集団行動や人に合わせるのが
苦手な人は経営者に向いています。

 

「小さな会社の稼ぐ技術」
竹田 陽一先生の語録より

 

さぁ、みなさん

 

ニッチな分野でNo.1を目指して
変人になりましょう(笑)

 

次回から

「平均の2倍の速さで成長している」
と師匠の坂本さんから大絶賛されている

福岡市の大濠公園北にある

「あべこーひー」

さんのNo.1戦略について

紹介します。

 

お楽しみに

 

「小さな会社の稼ぐ技術」弱者必勝のランチェスター戦略 Part1

「小さな会社の稼ぐ技術」弱者必勝のランチェスター戦略 Part2

「小さな会社が稼ぐ技術」弱者必勝のランチェスター戦略 Part4実践編

「小さな会社の稼ぐ技術」弱者必勝のランチェスター戦略 Part5 実践編

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金子文

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