「小さな会社が稼ぐ技術」弱者必勝のランチェスター戦略 Part4実践編
栢野 克己氏著
「小さな会社の稼ぐ技術」
をもとにランチェスター戦略
について解説しています。
この記事の目次
ランチェスター戦略で地域No.1 福岡市 あべこーひー
福岡の大濠公園北にある
自家焙煎”あべこーひー”
阿部 吉宏さんは
経営にランチェスター戦略を
徹底的に取り入れ、
「平均の2倍の速さで成長している!」
と師匠を驚かせています。
(阿部 吉宏さん)
栢野さんの著書
『新版 小さな会社 儲けのルール』
『小さな会社の稼ぐ技術』
に”あべこーひー”が
紹介されていたので
さっそく阿部さんが
ランチェスター戦略を
どのように取り入れられて
いるのか、
電話でインタビューさせて
頂きました。
やりたいことせずに死ねない!
阿部さんの
お母さんはいつも阿部さんが入れた
”こーひー”を凄く美味しそうに
最後まで飲み干してくれていました。
それはどこの”こーひー”かも解らない、
決して美味しいとは言えない
”こーひー”でしたが、
お母さんは
「本当に美味しい」
と言いながら
いつも最後まで、
飲み干してくれるのです。
お母さんに”こーひー”を入れて
あげることは、
その頃の阿部さんにとって
精一杯の親孝行でした。
お母さんが美味しそうに
”こーひー”を飲んでくれる
姿をみて、阿部さんは
「いつかは、”こーひー”ショップを
したい、
美味しいこーひーを飲んで、
幸せそうな皆んなの
笑顔が見たい」
と思うようになりました。
阿部さんは”こーひー”屋さんに
なりたいという夢を抱ながら
15年会社に勤めていました。
そんな6月のある日、
阿部さんはバイクの運転中に転倒、
救急車で病院に搬送されるという
事故を起こしました。
その時に
「人はいつ死ぬか解らない!
やりたいことをやってから死のう!」
と思ったのです。
ケガをして入院中になぜか
「小さな会社の稼ぐ技術」
著者の栢野 克己さんから
セミナーのお誘いがあったのです。
その時、阿部さんは栢野さんの事を
知りませんでした。
詳しく知らずにセミナーに参加するのは
失礼だと思い、
『弱者の戦略』『小さな会社 儲けのルール』
という本を購入して、読みました。
本を読み終わって
「これはすごい本だ!」
と阿部さんは直感し、すぐに
栢野さんに直接電話、
自身の手術の翌日に開催される
栢野さんのセミナーに
申し込みました。
ところがセミナー当日、阿部さんは
病院から脱走を試みたものの
看護婦さんに見つかり、
敢え無く御用となり・・・
婦長さんにこっぴどく叱られたのです。
それで阿部さんも観念して
治療に専念することにし
入院中は栢野さんの本を何度も
読んで過ごしました。
退院した翌日阿部さんはすぐに
栢野さんに会いに行きました。
「僕、”こーひー”屋さんを
やりたいんです!」
と栢野さんに言うと、
「”さかもとこーひー”、知ってる?
栢野の紹介だと言って連絡して
みなさい」
と坂本さんを紹介して下さったのです。
このような経緯を経て、
阿部さんは
ランチェスター戦略を使って
起業への道を歩き始めました。
経営の8大項目 その1 商品
阿部さんは
栢野さんに紹介してもらった
その日のうちに”さかもとこーひー”の
坂本社長に連絡を取り
コーヒー豆を送ってもらいました。
”こーひー”が好きで、北九州のすべての
珈琲屋さんのこーひーを飲み歩いて
いた阿部さんでしたが、
”さかもとこーひー”の”こーひー”を
飲んだとき大きな衝撃をうけました。
”こーひー”の苦みとかえぐみが全くなく、
まろやかな優しい味だったのです。
「これだ!
僕が求めていた”こーひー”の味だ!」
それまで、”こーひー”屋さんを
したいと思いながら
起業する踏ん切りがつかずに
いましたが、
救急搬送されたこと、
栢野さん、坂本社長に
出会ったことで
阿部さんは会社をやめ、
”こーひー”屋さんになる
決心をしたのです。
自分のお店で売る”こーひー”も
”さかもとこーひー”の味が出したいと
坂本社長に教えてもらいながら
”さかもとこーひー”の味を覚える
ことに没頭しました。
そして、翌年早々
コーヒー豆がどんな環境で
作られているかを知り、
素材のよさを
どう引き出すかを研究するために
南米のグアテマラ、コスタリカの
コーヒー農園
に視察に行きました。
そして阿部さんはコーヒーの修行と
並行して開業の準備も始めました。
経営の8大項目 その2 地域
ランチェスター戦略では
弱者は「小さな1位」
になることが重要です。
1位になると”選ばれる理由”ができるので
お客さんに口コミ、紹介
をしてもらえるからです。
阿部さんは
地域でNo.1になるためには
まず、どの地域でお店を開くか
考えました。
人口150万人の福岡市内には
先発のスペシャリティ自家焙煎店
が多数あります。
しかし、調べてみると
阿部さんのお家のある
大濠公園北地区には
ライバルがいないことがわかりました。
阿部さんが市役所で人口を
調べてみると近隣4地区を合わせて
13000世帯ありました。
このうちの900世帯が
お客さんになってくれたら、
全世帯の5%になるので、
ほぼ間違いなく地域No.1になれると
算段しました。
運良く、家から近いところに
空き物件が見つかり、
そこで”こーひー”屋さんを
開くことに決めました。
営業の8大項目 その3 客層
阿部さんはお客さんの
ターゲットを主婦に絞りました。
そして主婦に、どんな”こーひー”を
提供したらよろこばれるのかを考え、
主婦が使いやすい商品のラインナップに
しました。
そして、店内のディスプレイも
お客さんの反応を見ながら
少しづつ、お客さんが居心地がいい
空間になるように整えています。
お店の入り口には花を植えて、
女性がお店に入りやすいように
かわいらしい雰囲気にしています。
(お店の入り口にはいつもかわいいお花が
植えられています)
商品だけでなく、
自分が来て欲しいお客さんが
来店しやすいお店の雰囲気を
作ることも大きなポイントです。
営業の8大項目 その4 営業対策
弱者の戦略は
エンドユーザーに直接売る
接近戦
です。
阿部さんはオープン前に
まず開業新聞を作り、
開業奮闘記を書いて
友人知人に配り始めました。
開業までの準備状況を新聞にして
配ることで、
自分のお店に興味を持って
もらうためです。
1号は自分の知り合いの20人くらい
でしたが、
開業直前の新聞は350人くらいに
配っていました。
なので、阿部さんのお店がオープン
したときは350人の
応援団ができていたのです。
また、オープンのチラシをお店の周り、
半径1キロ以内に絞ってポスティングを
始めました。
オープンする1ヶ月〜1ヶ月半くらい前にから
2週間、3週間ごとに1万枚づつ、
開店準備のあいまをぬって、
1日に1時間〜2時間くらい
チラシを
同じ場所に配ったのです。
チラシは1度配布しただけでなく、
同じ地域で何度も配布すると
効果がある
というのを
ランチェスター戦略で
学んだからです。
折り込みも使いましたが、
近いマンションには直接
行って、ピンポンを鳴らし、
「今度オープンするので
あいさつに来ました!」
と
手渡しでチラシを渡しました。
100軒まわると1人か2人くらいは
玄関にでてきてくれて、
受け取ってもらうことができ、
オープンした時にお店に来て
もらうことができました。
さらに、阿部さんはお店をやる場所を
決めてからは
お店の位置から半径1キロ以内で
生活のすべてを完結させました。
日々の買い物から理美容、
病院、外食をするときも
全部半径1キロ以内のお店を
利用します。
こうして地域に密着することで、
地域の人に愛されるお店に
なることを目指しました。
あべこーひーHPはこちら
まとめ
福岡の”あべーこひー”
阿部さんは開業前から、徹底的に
ランチェスター戦略を実践
されていています。
阿部さんがどう
ランチェスター戦略を取り入れて
成果をだされているのか、
経営の8大戦略に照らし合わせ
ながら考察していきます。
”こーひー”豆は利益が薄いので、
阿部さんのお店が黒字になるまでに
3年かかったそうです。
それでも、日銭を稼ぐことにとらわれず、
長い目でじっくり取り組まれているので、
薄皮を重ねるようにじんわりファンに
なってくれるお客さんが増えているそうです。
阿部さんがすごいのは、
地域の飲食店で食事をしたり、
お店に買い物に行った時に、
いっさい自分のお店のアピールを
しないことです。
人は売り込みを嫌うので、
まずはじっくり人間関係を作ることに
集中されています。
飲食店で食事をしていると、
たまたま阿部さんのお客さんと
居合わせることがあって、
飲食店のオーナーに
「阿部さんは
おいしい”こーひー”屋さんなんですよ」
と紹介してもらえるそうです。
そこから、
その飲食店であべさんの”こーひー”を
使ってもらえるようになる
こともあるそうです。
阿部さんに
「どうして
”あべこーひー”
はひらがななんですか?」
と聞いてみました。
すると、
「ウチはやさしい味の”こーひー”が
売りだから、
ひらがなにするとやさしい感じが
伝わるかなと思って」
と言われてました。
阿部さんのやさしいお人柄も
伝わってきますね。
経営の8大戦略 ”あべこーひー”の
実践例、
次回は超重要
顧客維持
についてお伝えしますので
お楽しみに!
金子文
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