クリエイティブな発想法
この記事の目次
クリエイティブであるということ
建築家の八納 啓創さんが主催して
くださっている、
「クリエイティブに生きる!」
をテーマにした講演会に参加しました。
この会は本田 健さんのもとで
クリエイティブな生き方を学んだ
八納さんが
「才能に気づき、磨きをかける
秘訣は、才能あふれる人と出会うこと」
をテーマにシリーズで開催して
くださっています。
八納 啓創さん
住む人が幸せになる家
(株)G proportion アーキテクツHPはこちら
http://www.keizo-office.com/index.html
2回目のゲストスピーカーは
「降りてくる思考法」
著者の江上 隆夫さん
です。
江上さんはこれまでに
コピーライターとして
パイロット万年筆、協和発行の焼酎
オムロン、朝日新聞などの
会社、商品紹介を書かれたり、
クリエイティブディレクターとして
日本たばこ、FUJIゼロックス、バンダイ
など数多くの大手企業の
商品の新発売キャンペーン
を手がけられてきました。
江上さんのクリエイティブな
発想法についてレポートします。
江上 隆夫さんプロフィール
大学卒業後、広告制作会社を
皮切りに大手広告代理店に
18年近く勤務。
コピーライター及び
クリエイティブディレクターとして
商品から企業まで、
広告を通じた数々の
ブランディングを手がける。
2005年末に有限会社ココカラを設立。
以後、クリエイティブディレクター
として広告制作およびパーソナルから
数十億規模まで多くのブランド
づくりのコンサルティング相談を
スタートする。
クリエイティビティはみんな持っている
クリエイティブというと何か難しいこと
のような印象を受けます。
そこで、江上さんが最初に
こんな話をしてくださいました。
昭和初期の頃、
反戦や学費の値上げ反対
などを主張して
学生運動が行われて
いました。
大きな運動になると
学生はデモをしたり、
機動隊や建物に
石を投げて
権力に
抗議していました。
ところが、都会には石がありません。
学生は敷石を剥がして投げつけたり、
石の調達に苦労していました。
そこにあらわれたのが
大阪のおばちゃん。
なんと集めた小石を一つ10円で
売り始めたのです。
石はあっという間に完売。
道端に落ちている石で
ビジネスが成立したのです。
大阪のおばちゃんの発想は
まさに
新しい価値の創造
クリエイティビティ
と言えます。
クリエイティブであるとは 視点の移動
すべての人はその人の
人生において最大限の
クリエイティビティを
発揮しています。
クリエイティビティは
なぜ必要とされている
のでしょうか?
それは、
あらゆるところで起きている
問題を解決するために
アイディアが
必要だからです。
生きる = 問題を解決すること
適切な質問を自分に投げかける
クリエイティビティは
自己対話から生まれます。
思考は、適切な質問を
自分になげかける
ことで深まります。
アイディアを閃くには
強制的な問い
狭く小さな問い
がとても効果的です。
具体的な質問だと頭がすごく働きます。
例えば
「中東の戦争をなくすには
どうしたらいいですか?」
というような質問は
質問が大きすぎて、
思考がフリーズして
しまいます。
「今日会った人を
ちょっとだけ幸せにするには?」
という問いだと、
アイディアを思いつくことが
できます。
「このアイスクリームを
売って下さい」
という問題は、
「人はどういう時に
アイスを食べたくなるかな?」
という問いに変えることで
シチュエーションを思い浮かべる
ことができます。
南アルプスの天然水を売る場合は
みんなが持っている南アルプスのイメージは
どんなイメージだろう?
南アルプスの写真に
何をおいたら消費者に
強い記憶となって
残るだろうか?
と問いかけをすることで
アイディアが閃きます。
枠組みからの脱出
クリエイティブは
「囚われている枠組みから脱出すること」
でちょっとだけ
新しい世界像を獲得します。
枠組みから脱出すると
アイディアが生まれます。
石でも売れるという世界観
を持つことができます。
教養の重要性
“教養があること”が重要です。
ネットにはたくさんの情報が
あふれていますが、
自分が思っている方向の
情報ばかりを収集し
自分が接する情報が正しい
と思って”たこつぼ”の状態に
はまることがあります。
(たこつぼの状態・・
閉鎖的になり、外界の状況から隔離されて
変化に対応できなくなること)
たとえば、右翼の人が、
右寄りの思想ばかり集めて
いるような感じ。
偏らず、いろんなジャンルの
教養を身につけることが
大事です。
ミルフィーユのように
積み重なった教養の上に
アイディアを積み重ねる
ことができると
いいものができます。
あだ花はすぐにくずれます
(あだ花・・花をさかせても実を結ばない花
外見ははなやかでも実質をともなわない
もののたとえ)
枠組をみる視点を多段階
で変えられることができるのが
教養の力です。
流行り物から古典まで、
好奇心を持って
教養を積み重ねます。
古典は、
長い時間に洗われて
いいものが残っています。
歴史を紐解くことも
新しい発想を生み出す
きっかけになります。
クリエイティブの思考のステップ
枠組みに気がつくこと
が作業の8割です。
ワクの外にでると解決方が
見つかります。
脳は休んでいる時に
いちばん働いていています。
小さな質問を一生懸命
考える
⇩
休む
⇩
ぽんっと降りてくる
一生懸命考えて、休む
ということを繰り返して
いるとアイディアが
降ってきます。
本当の問題に気付くことも
大事です。
環境の問題は実は人口の問題です。
問題の根本を見極めて
解決策を考えます。
クリエイティブになる視点
【名前を変える】
名前を変えると
意味付け
が変わります。
井上 陽水は最初の芸名は
アンドレ・カンドレでした。
”井上 陽水”に名前を変えた
ことで売れました。
赤城乳業のガリガリくん
最初の名前は”赤城しぐれ”でした。
”ガリガリくん”に名前を変えた
ことで、
爆発的に売れました。
【ありえないものをくっつける】
アイスクリームのてんぷら
いちごとあんこ
くっつくはずのないものを
くっつけてみると、
新しいものができます。
【大きさを変える】
すべて根本から変えると
イノベーションが生まれます。
米国のアーティスト、クリストは
ベルリンの国会議事堂を
布で包むアイディアを実現しました。
わずか5ミリの米粒にアートを
表現した人もいます。
【盗む】
オマージュ
尊敬する人のやり方を
上手に盗めば拍手をもらえます。
【なくす】
できるだけなくす
ことはできないか
考えることで
新しいものが生まれます。
【価値を変える】
アメリカの
サウスウエスト航空は
飛行機を
空飛ぶバスと捉えました。
バスのように安い運賃で
中距離都市間を移動できる
「低運賃で頻繁に運航する」
というビジネスモデル
で潜在的なニーズを
掘り起こし、
成功しました。
【冗談を検討する】
宇宙エレベーター
こんなエレベーターが
あったらいいですね!
思考の枠組みをはずす
ことが大事です。
クリエイティブな自己対話
①なぜ解決したいの?
②「本当にそう?」
①ででてきた答えに
「本当にそう?」と一度
問いかけてみます。
意外とそうじゃなかったりする
ので、
ここで一度この
問いかけを入れて
みるのがポイントです。
③どこが難しいの?
④その人に
なりきってみる(多視点)
⑤ここは変えてはダメ
という最も大事はものは?
自分の中で対話を
繰り返すことで、
解決法が閃きます。
まとめ
江上さんが広告宣伝を
手がけられた商品は
誰でも知っている
有名なものばかりで、
すごい人だなぁと
思いました。
”生きる”
ということは
問題を解決すること”
という定義は
ちょっと意外でしたが、
言われてみると
そうかもしれないと
思いました。
問題解決をするために、
自分に
適切な質問を投げかけること、
自分の枠に気がついて、
その枠からでること
という方法があることが
わかりました。
同じものを視点を変えて
あらゆる方向から
見てみると、
今まで見えなかったものが
見えるようになります。
江上さんから、
物事を柔軟にみる
発想法を伺って、
頭がちょっと柔らかく
なりました。
講演会後の懇親会で、
教養を掘り下げることに
ついて、
もう少しお話をお伺い
することができました。
「どのジャンルからでも
一つのことを
突き詰めて掘り下げて
いくと、
突き当たるところは同じ」
と言われていました。
人間の根底に流れるもの、
それは人として
どうあるか
ということにつきるのかなぁと
思いました。
また、江上さんは
どうして生きているのか
について、
「自分が素晴らしいと
感じるために
生きている」
と言われていました。
江上さんが今のような
素晴らしいお仕事が
できるようになるまで、
苦労された時代もあり、
そんな中で、
自分はなんの
ために生きるのかを考えた時、
「自分が素晴らしいと
感じるために生きる」
とふと感じられた
そうです。
自分が自分を素晴らしいと
認めることができると
生きている実感が
湧いてくると思いました。
そこから幸せを感じて
周りの人に分けることができる
人になりたいです。
今回も才能あふれる人の
お話を聞いたことで
私の視野が広がりました。
この場を作って下さった
八納さん、ありがとうございました。
金子文
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