人生は一言で変わるーある盲目の少年のお話ー

2017.01.15 by 金子文

この記事の目次

心を動かす

今日は木下 晴弘先生のお話から
「人生は一言で変わる」
について紹介します。

木下先生は関西で灘高などの超難関校をめざす
塾のカリスマ講師でした。

いかに多くの生徒を難関校に合格させるかということが
講師の使命です。
ですが、注意力散漫な態度で授業に臨む生徒もいました。

木下先生はどうしたら生徒たちがやる気を起こしてくれるか
試行錯誤されました。

そして、生徒のやる気を引き出すのはテクニックではなく、

“人が自ら行動する時というのは
心を揺さぶられ、ものごとの本質に気がついた瞬間”

だということに気がつかれたのです。

生徒たちが自らペンを握るために、

「勉強は何のためにするのか」
「幸せってなんだろう」
「あきらめないこと」
「努力の本当の意味」
「感謝する気持ち」

などをいろんなお語に託して生徒に話されました。

そうした話に心を動かされた生徒は、もう何も
言わなくても勉強し、みな第一志望校へ合格して
いったそうです。

木下先生のお話の中から、今回は「ある盲目の少年のお話」
を紹介します。

ある盲目の少年のお話

生徒たちが”自分に自信が持てない”とか、
お母さんが”自分の子どもにどう声かけをしていいか
わからない”
という時に木下先生がよく話されていたお話だそうです。

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アメリカにモーリス君という少年がいました。
モーリス君は6週間も早く生まれてきたため、
生まれてすぐに保育器に入りました。

でも、その保育器内での過量酸素が原因で
ある障害をおうことになってしまいました。

モーリス君が小学生になったとき、こんな事件がありました。
理科の実験用に飼育していたねずみが逃げていなくなったのです。

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教室の窓もドアも閉まっているので、教室のどこかに
いるのはまちがいありません。

子どもたちはみんなで教室中を探しました。
だけど、ねずみは見つかりませんでした。

そこで、先生は子どもたちに探すのを止めさせ、
椅子に座らせていいました。

「ねずみは見つからないですね。
これからはねずみを見つけてくれるのに一番力を
持った方にお願いしたいと思います。
モーリス君、お願いできますか?」

その言葉を聞いた子どもたちは騒然となりました。

「えー。先生、モーリスには無理だよー。
忘れたの?」

子どもたちが騒いだのには訳があります。
モーリス君は保育器に入っていた時に
酸素を大量に吸い込んでしまい、
すべての光を失ってしまっていたからです。

先生は子どもたちを静めていいました。

「確かにモーリス君は目が見えません。
ですが、彼には神様から与えられた
素敵な耳があります。

彼の聴力はあらゆる音を聞き分ける素晴らしい才能を
持っています。彼はみんなには
聞こえないねずみの小さな音を聞き分けて、
きっとねずみを探し出してくれることでしょう。
私は信じています。

モーリス君、お願いします」

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そう先生にお願いされたモーリス君はその期待に応えて、
音を聞き分け、みんなが探しても探せなかったねずみを
見事に探しだしました。

これが成功体験となって、彼は先生に褒められた聴力を生かして、
音楽の道にすすみ、聴力だけにたよるシンガーソングライターとして
全米デビューを果たしました。

デビュー名をスティービー・ワンダーといいます。

スティービー・ワンダー
1950年生まれ アメリカのミュージシャン、
作曲家、音楽プロデューサー

30曲以上のU.S.トップ10ヒットを放ち、
計22部門でグラミー賞を受賞、

最も受賞回数の多い男性ソロ・シンガー。

モーリス君は手記にこう書いています。

「僕は目が見えないことをずっと
心の中で荷物に思っていました。
でも、あの日あの時、先生は僕の耳は
“神様がくれた耳”と僕の聴力を
褒めてくれました。
僕はそれで自信をもつことができました。

先生ありがとう」

 

木下先生はこのスティービー・ワンダーの幼少の頃の話を保護者に
した時、

「お母さんね、電柱は上から見ると円、真横から見ると長方形ですよね。
お母さんにはお子さんは”あわてもの”と映っているかもしれませんが、
それは真横から見た長方形の姿ですよね。
僕が真上からみたら、”あわてもの”は”機敏”に映ります。

あなたのお子さんはとっても機敏な子ですよ」

とか
「”優柔不断”な子で・・・
と言われる保護者には
“優柔不断”は”慎重”に見えませんか?」

と子どもさんのいいところに視点を向ける
ように勧め、

「プラスの部分からお子さんをみて、
それを一声言葉にしてお子さんに
かけませんか?

人生は一言で変わります

と話されていたそうです。

木下先生は人の心を動かす、
感動的なお話を一つの本にまとめて出版
されています。

9784894513143

「涙の数だけ大きくなれる」
木下 晴弘著 フォレスト出版

この本には、モーリス君の話は載っていませんが、
たくさんの感動物語がつまっています。

本に載っているお話の一つがPVになっています。

 

まとめ

今日はセンター試験2日目でしたね。
これから、受験生とその親御さんに
とっては正念場の時期になります。

みんないろんな思いがあって、
いろんなドラマが繰り広げられて
いることでしょう。

春に見事な桜が咲くことを
お祈りしています。

受験シーズンということと、
木下先生の講演会を開催したのが、
ちょうど昨年の今頃だったなぁと
思い出して、

今日は久しぶりに
「涙の数だけ大きくなれる!」
を読んでまた感動しました。

“平和で豊かな日本に住む私たちは、自分のいる環境が
世界の中では奇跡的に恵まれていることに気づかず、
ごく当たり前の平凡なこととして受け取りがちです。

だからつい、自分の幸運を粗末にあつかって
しまいます。”

と本に書いてありました。

そうかもしれないなぁと思って今日の晩御飯は
家族に感謝の気持ちを込めておかずを一品ふやしました(笑)

「涙の数だけ大きくなれる」
木下 晴弘著 フォレスト出版

受験生や受験生の親御さんだけでなく、
社会人にも人生のヒントがもらえる本なので、
ぜひ読んでみて下さい。

木下.008

 

 

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金子文

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