『イーストンと春の風』巣山 ひろみ

2017.10.10 by 金子文

『パン屋のイーストン』を探そう!

お友達の童話作家
巣山 ひろみちゃんの『パン屋のイーストン』シリーズの
2巻目が3月3日に出版されました。

 

ひろみちゃんがこの絵本を通して
読者のみなさんに何を伝えたいのか、
絵本が出版されるまでのいきさつなど、
お話しをお伺いしました。

 

東京都練馬区では11月30日まで
パン屋さんと『パン屋のイーストン』との
楽しいコラボ企画が行われています。

 

お近くの方、ぜひ練馬区のイーストンのイベントに参加している
パン屋さんを覗いてみてくださいね。

 

詳細はこちら

ねりまの「パン屋のイーストン」をさがそう!

 

『イーストンと春の風』

今回はイーストンがこねたパンを焼く
はね火のアチネのお話しです。

 

イーストンは”かぐわし森”のパン屋さん。

 

イーストンが”かぐわし森”でパン屋さんの開店準備を
している時に森のゴッツン山が噴火しました。

 

噴火した火山から飛び散ったはね火が
イーストンの切り株の家の煙突から飛び込んできました。

そのはね火がアチネだったのです。

 

イーストンとアチネはすぐに友達になって
一緒にパンを作る仲間になりました。

 

イーストンがこねたパンを
はね火のアチネがはねて、おどって釜に火を
つけてパンを焼き上げていきます。

 

”かぐわし森”にはいつも美味しいパンのかおりが
漂うようになりました。

 

 

ところが春の風がふいたある朝、
イーストンがパンを焼こうと思っても
かまどに火がつきません。

いつもならアチネが元気いっぱいにおどって
火をつけてくれるのにいつまでたっても
かまどはつめたいままです。

 

 

イーストンが呼びかけると
かまどのおくにしょんぼりすわっていた
アチネが言いました。

 

なんと、今朝吹いた春の風がアチネの大事な
踊りを盗んでいってしまったのです。

得意なことが突然できなくなってしまった
アチネはもとの力を
取り戻すことができるのでしょうか。

 


仕事のあいぼうであるアチネから、
春一番がうばっていった大切なものを取り戻すため、
イーストンが奮闘します。

じつは、イーストンの原稿は、こちらが最初でした。

編集者さんと話をして、この原稿を本にする前にまず、
物語の舞台を紹介するお話を出しましょうということになり、
1巻目を書きました。

 

そういうわけで、この『イーストンと春の風』を出すために
色々とまわり道をしており、やっとたどりついたという感じです。

たぶん、わたし以上に編集者さんが喜んでくださっています。

見本に添えられたお手紙の、
「ぜひとも形にしたいと願っておりました」
との言葉にじーんときました。

願ってくださっていたのです。

きっと願いの分だけ、美しい本になりました。

子どもに言葉で説明するには難しい内容になっているかもしれません。
でも、人が核の部分にもっているものを物語にしたいと思っています。

そんな話なので、この編集者さんとの出会いがあったからこそ、
形になったのだと思います。

巣山 ひろみ

 

その人なりの役割がある

しっかり働く妖精の話を書こうと思いました
金子
ひろみちゃん、
『パン屋のイーストン』シリーズ2巻目出版おめでとうございます。

『パン屋のイーストン』を書くきっかけはなんだったのですか?

 

巣山

私がパン屋さんで働いていることを知った編集者さんが、
パン屋の話を書くことを提案してくださいました。

その前に『おばけのナンダッケ』というシリーズの童話を
書いていたので、その延長で働くおばけの話を書こうと思ったら、
編集者さんが「妖精はどうですか?」と言って下さったのです。

巣山

妖精といってもただ、ふわふわしているものではなく、
しっかり”働く妖精”を書こうと思いました。

金子

“働く”ということがこの絵本の一つのテーマになっているのですね。

はね火のアチネ
金子

今回のお話しは、はね火のアチネが中心に展開されていますね。

巣山

はい。主人公はもちろんイーストンですが、これから森の
住人ひとりひとりにスポットを当てていきたいと思っています。

自分の内なる力を信じる
金子

アチネのお話しを通してどんなことを読者に伝えたかったのですか?

巣山

アチネは火の精です。いつもは得意な踊りを踊って火をおこします。
だけど、ある日アチネはいたずらな春の風に踊りを盗まれてしまって、
踊りが踊れなくなってしまいます。

 

アチネは再び自信を取り戻して踊れるようになりますが、
その時、アチネは自分で自分の力を取り戻します。

”自分で、自分の中からわいてくる力で
自分を立て直す”

という物語を書きたいと思っていました。

金子

このお話しを書くにあたって、何かヒントになるような
エピソードがあったのですか?

巣山

短大のときに聞いた迷い犬の話がヒントになりました。

怖がりですごいダメ犬が迷子になってひとりで一晩を過ごします。

次の日にその犬は自力で家に帰って来ました。

帰ってきた犬は迷う前のダメダメな犬ではなく、
明らかに何か違っていた
という実話のエッセイを読んで、

それがずっとひっかかっていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

巣山

言葉ではうまく説明できないけど、その犬は
何かの力を自分の中に呼び戻して戻ってきたと
思ったのです。

怖がりのダメ犬が迷子になって一晩森か山
で過ごしたわけですけど、

泣いて過ごしたのではなく、
大自然の中にひとりでいたことでその犬が
強くなって帰ってきた、

という実話が気になっていて、
そういうことを物語にしたいなとずっと温めていました。

 

巣山

アチネは踊ることで火をおこす妖精です。

その踊りを春の風が盗んでいくことで、
今まで自分ができていた得意なことができなくなってしまいます。

巣山

イーストンが春の風から踊りを取り戻してくれました。

なのに自信をなくしてしまったアチネは自分はダメだから

「ほっといてくれ」

とイーストンに言います。

金子

イーストンが踊りを取り戻したのに、
アチネは踊ることができませんでした。

そんなアチネにイーストンはそっと寄り添います。

そしてアチネは自分で踊る力をとりもどしましたね。

巣山

言葉にするのは難しいかもしれないけど、
人が持っている”核”の部分を表現したいと思いました。

”核”の部分とは

時代に関係なく年齢も関係なく大人も子どもも関係なく
自分の中にもっているもの

自分で立ち直る力

「生きる力」

だと思うのです。

 

巣山

何かを見たときに、たとえば大海原をみて
わーと自分の中に力が湧いてきたことがあります。

 

その時の自分の気持ちのもちようで
大きなものに救われたような気持ちになることがあります。

金子

自然から生きる力をもらっている感じ?

巣山

子どもに言葉で説明するのは難しいけど
感覚で感じてほしいです。

子どもたちはわかっているんじゃないかな。

きれいな自然をみたときわーと
子どももテンションがあがりますよね。

感覚で何か感じてくれるんじゃないかなと思っています。

自然から受け取った生きる力。そしてその力を
ふくらませるのは、自分を信頼して心で寄り添い、
待っていてくれる人の存在です。

 

 

 

 

「ぜひとも形にしたいと願っていました」
金子

このイーストンの物語が絵本になるまで、
かなりの年月と苦労があったそうですね。

巣山

本を出版するというのは大変なことで、
たくさんの壁を乗り越えなくてはなりませんでした。

私はもうこの話が絵本になることはないと一度は諦めたくらいです。

だけど、編集者さんが私と同じものを感じてくれて
この物語の世界に共感してくれていました。

彼女がこの本を世に出したいと願ってくれたから
出版することができました。

巣山

「ぜひとも形にしたいと願っておりました」

と見本の本に添えられていた手紙に書いて
下さいましたが、

この本を出版することができたのは
あきらめずにいてくれた編集者さんのおかげです。

一冊の本が出るまでにはドラマがあります。

 

大人の方にもぜひ読んでいただきたいです
金子

この絵本はどんな人に一番読んで欲しいですか?

巣山

本当は大人の人にも読んでもらいたいです。
社会にでて、ちょっと自信を失ってしまった人に
読んでもらいたいです。

 

アチネに丘の長老が声をかけます。

 

「まぁまぁ焦ることないよ。

なんだって、そのときがきたら、
とりもどせるさ。

一生はながいんだから」

 

この言葉は自信を失ってしまった
大人へのメッセージでもあるんです。

 

『パン屋のイーストン』メディアで紹介されています。

2016年11月18日 中国新聞に掲載

 

2017年4月6日 広島テレビ「テレビ派」出演

2017年5月3日 FMはつかいち出演

FMはつかいちさんのレポート

 

5月3日(水)10時からは「わしらぁ、ものづくり人!」
ゲストは、児童文学作家 巣山 ひろみさんでした。

これ迄に幼年童話を7冊とアンソロジー
(他の作家さんとご一緒に一冊になった本)は数冊出版されていますが、
昨年10月に初めての絵本を出され、今年3月に2冊目の絵本を出されました。
それが「イーストンと春の風」です。

 

イーストンは森に住んでる妖精で、パン屋で働いています。
パン作りを愛するイーストンの姿を通じて誰かの
役に立つ喜びを描かれています。

 

森の中には困った人や難しいお客さんがいますが
皆何かの仕事を持っていていろんな人がいて
その人がその人らしく生き甲斐を持って生きていけるような
世の中になって欲しいなという願いを込めて書かれました。

絵は「魔女の宅急便」や「ハウルの動く城」を描かれた
佐竹美保さんという皆様お馴染みの著名人です。

 

主人公のイーストンもイメージ以上に描いて下さって
手元に届いた時には
「私の逢いたかったイーストンはあなただったのね。
イーストンはあなた以外に考えられない。」
ほどに感激されたそうです。

 

実は 巣山さんはパン屋さんに勤められて15年、
この絵本には パン作りのレシピも紹介されています。

イラストも巣山さんご自身で描かれています。

幼少の頃からマンガを描いたりストーリーを考えるのが大好きでした。

中学3年の時 漠然と童話作家になりたいと考えていましたが、
結婚され子供さんが誕生され小学生になって 本格的に書き始め、
初めて広島市民文芸に応募した作品が3席に入選。

 

その後も応募し続けて何度も佳作や入選し、
ついに新人賞受賞し、2012年 雪ぼんぼりのかくれ道で作家デビュー。
今日までに至ってらっしゃいます。

 

巣山ひろみさんにとって「ものづくり」とは?
「出逢い」だそうです。

 

もちろん人との出会いもそうですが、景色であったり、
旅行であったり、必要な言葉、本、偶然であったり、
誰かが繋いで下さったり…どれもこれも大切なものづくりの元になります。

 

これを書いたら死んでも良いと思える作品を
書きたいと熱く語って頂きました。

 

 

『イーストンと春の風』を読んで

ひろみちゃんのテンポのよいリズム感のある
文章で物語に引き込まれます。
佐竹 美保先生の
ほのぼのとした挿絵は

子どもの頃にかけまわった山や野原を
思い出させてくれ、

しばし童心に帰ることができます。

 

春の風が人の得意なことを盗んでいくという発想
がとても面白いです。

そして自信を失ってしまっても人には「自分で立ち直る力」
があるというメッセージにとても勇気をもらいました。

 

日々、いろんなことがあるなかで、
疲れて、ともすれば気持ちが後ろ向きになって
「自分にはできないのかもしれない」と思えることも
あります。

 

だけど、人はみんな自分で立ち直る力を
持っています。

 

私も自分を信じて、自分の足で歩いて
行きます。

 

人にはみんなその人なりの役割があって、
その役割を果たすことで人のお役に立つことが
できます。

 

この絵本も
物語を書いたひろみちゃん
絵を書かれた佐竹 美保先生
この本を出版するために奔走された
編集者さん

 

その他にも多くの人が関わられて

それぞれが自分の役割を
果たすことで読む人に勇気を与える
一冊の絵本ができました。

 

みんなが自分の役割を果たしながら
一つの物を作り上げていくと

素晴らしいものを形にして世に届けることが
できます。

 

私も自分の役割を果たすことで
生きがいを感じながら貢献していきます。

 

『パン屋のイーストン』こちらの記事も
合わせてお読み下さい。

巣山 ひろみさんの魅力が満載です。

「パン屋のイーストン」巣山 ひろみ絵本

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金子文

金子文

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